つくってあそぼ型エグゾーストキャノンの製作

Introduction


エグゾーストキャノンとは圧縮した空気を「exhaust(排気)」する空気砲であり、ダンボールに穴を開けて横からバンッとするタイプの空気砲とは一線を画す威力を持つことから老若男女問わず注目されている。しかし従来の二重筒式と呼ばれる機構を用いたもの[1]はその構造の特殊性から溶接などで部品を自作する必要があり、制作難易度が非常に高いという課題を抱えていた。この課題を解決すべく、単管式と呼ばれる新たな機構が確立された[2]。これにより従来と比べ性能こそやや劣るものの水道管等の規格品を加工するだけで製作可能となり、エグゾーストキャノンの一般化への大きな一歩となった。しかしこの方法においてもハンドドリルを用いた加工など工作入門者にはやや煩雑に感じられる工程が存在している。そこで本記事ではハンドドリルによる穴あけやタップによるねじ切りを要する工作型単管式エグゾーストキャノンではなく、ほぼ組み立てるだけの操作で完成するつくってあそぼ型単管式エグゾーストキャノンを製作する。

 

Craftwork


材料

・ロングニップル ×1 エグゾーストキャノンの筒として

・鋼管継手 異径ソケット ×2 大小1つずつ 大きいほうは発射口、小さいほうはブッシングへ

・鋼管継手 ブッシング ×1 異径ソケット(小)へと繋いで空気供給口へ

・DSLプラグ ×1 空気供給口として

・排水溝用皿 ×4 大3つと小1つ 大は筒の内径とぴったり合うくらい、小は発射口を覆うくらい

・長ネジ ×1 筒より少し短いくらい

・ゴム板 ×1 筒の内径とぴったり合うように切って中心に穴をあける

・ナット ×6 排水溝用皿を長ネジに固定するために

・シールテープ ×1 空気漏れを防ぐために



製作

①長ネジに排水溝用皿、ゴム板を取り付けナットで固定することでピストンユニットを組み立てる。

左(発射口側):左から ナット、ゴム板、排水溝用皿(小)、ナット の順

中(支え):左から ナット、排水溝用皿(大)、ナット の順

右(空気供給口側):左から ナット、排水溝用皿(大)、ゴム板、排水溝用皿(大)、ナット の順



②ピストンユニットを筒に入れ、シールテープを巻きながら発射口側に異径ソケット(大)、空気供給口側に異径ソケット(小)、ブッシング、DSLプラグを取り付ける。完成!



Result and Discussion


製作時間は30分。

さらば ほろよい 白いサワー <マスカット>

Conclusion

制作難易度の低さで知られている工作型単管式エグゾーストキャノンからさらに工作要素を減らしたつくってあそぼ型単管式エグゾーストキャノンの製作を行った。所要時間は30分であり、ゴム板を適切なサイズに切り中心に穴をあけるという作業を除けば文字通り組み立てるだけという極めて簡潔な工作ながら空気を圧縮し放出するというエグゾーストキャノンの動作を再現することに成功した。たとえ家にハンドドリルやねじ切りタップなどの工作器具が無くとも製作が可能となる点においてこの工作はエグゾーストキャノン界の門戸を広げるきっかけの1つとなることが期待される。

Reference

[1]POKA, “図解アリエナイ理科ノ工作”, 三才ブックス, 2008年, pp. 8-13
[2] 薬理凶室, “図解アリエナイ理科ノ実験室”, 三才ブックス, 2011年, p.10

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