若年層の魅力を唆る向精神薬

※この記事内のキャラクターは弊ラボの「製薬会社可惜夜」とは一切関係ありません。
※薬物乱用を推奨する意図は一切ありません。



突然ですがこちらは、「💘きらきらKAWAII💘」というタイトルの私が描いたイラストになります。
趣味でやっている薬物擬人化創作のエチゾラム(商品名デパス??)ちゃんをごてごてきらきらにして描いたものです。
一見すると「可愛い」印象を受けると思うのですが私はこのイラストに昨今の向精神薬、特にベンゾジアゼピン系薬剤への印象も込めて制作しています。(可愛い絵が描きたかったのもあるけど)

最近は 病みかわいい/メンヘラちっく のような言葉が流行っていますね。雑貨屋さんなどでも心が病んでいる「風の」おくすり、注射器、涙目などをモチーフにした商品をよく目にします。いわゆる「病みかわ」は最近になって現れたものではありません。表層に出てきたのは最近ですけどね
少し前までは「サブカル」「アングラ」などといった形で表現されていたものが、ここ数年で可愛くデフォルメされて流行しているのです。

本題ですが、なぜ私は「向精神薬の擬人化を可愛く描こうとしたのか」について。


こちらは私の擬人化したエチゾラムちゃんの全体図。可愛めな印象にまとめています。カラーリングは商品パッケージから、飴は糖衣錠、胸を大きめに描いているのは肩こりの治療として処方されることもあったことを元にデザインしています。そしてKAWAIIの代名詞セーラー服。
一部の方はこのデザインを見て「エチゾラムらしい」と納得するかもでしょう。ではなぜか?
向精神薬が一部の若者の間で魅力的に見えてしまっているのは確かな現状。皆がこぞって欲しがるエチゾラムの効果と処方現状として、

・薬の規制が緩い
・短時間型のため早く効き、効果(不安や緊張がほぐれる)を実感しやすい且つ、1日の服薬回数上限も3回と高い
・精神科だけでなく筋肉の緊張をほぐす意味合いで内科や整形外科でも処方される
・他の精神科の薬よりも必然的に処方頻度がずば抜けて高く手に入れやすい向精神薬
・0.25、0.5、1mgと量上げが容易

などが挙げられます。ベンゾジアゼピン系がそもそも古いお薬の部類ですので、医者側もついつい使いがちなのが現状なようです。(最近は見解が変わりベンゾジアゼピン系薬剤の安易な投与は推奨されていません)
すぐ効く!気分が楽になる!なんて思春期の学生が耳にしたら幻想を抱くのも無理はありません。
そこに「病みかわいい」というデフォルメされたメンタルイルネスが混ざる。若者がおそらく一度は憧れる\"アングラ\"の世界、「あなただけのデパス」という歌詞の曲が存在する程には\"メンヘラ\"の代名詞となっているのがエチゾラム。そう、医薬品としての活躍知名度はもちろん負の面も目立ってしまっている、その負の面を「病みかわいい」などの言葉でデフォルメしてしまうことで可愛い見た目のそれっぽいカラーリングの子がそれらしく見えてくるわけです。
このような印象で通ってしまっているのかな、と私は考えます。

当たり前ですが正しく用法用量を守って飲めば快方に近づきます。オーバードーズに魅力を見出すのは人それぞれとは思いますが必要な人に(処方容量内で)必要な量だけ。それが本来の正しい使い方なのです。

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