【おうちラボで実験してみた番外編】実験記事の書き方マニュアル

みなさんこんにちは。
今回は僕がいつもどのようにして実験記事を執筆しているか紹介しようと思います。家で実験するという一見アブノーマルなことをどのように遂行しているかを見ていただき、これから自宅実験を始めたい人(そんな人がいるか否かは閑話休題)の参考になればと思います。

●おうちラボの建設
そもそも自宅に実験室を作らなければ実験記事は書けないわけでその点について軽く触れておきます。よく個人的に自宅で実験を始めるにはどうしたらいいですかという質問を受けます。自宅実験を始めた中2の頃を思い出しつつ回答しますと、まず必ず自分のレベルに合わせて始めなければなりません。今では多くの記事を投稿している僕でさえ初めは調味料の液性を調べるだけで楽しんでました。そんなもんです。この程度の実験ならビーカー数個と駒込ピペット、市販の万能指示薬で事足りますよね。いわゆる初期装備です。初期装備を手に入れたら他にどんな実験ができるか調べます。薬局で手に入りそうな試薬(重曹、クエン酸、エタノールなど)や身近な素材を使ったものならとっつき易いですよね。ただネタ探しをしていくと手持ちの薬品や器具では足りなくなってくる場合があります。足りない分は買い足してまた実験を行います。そうやって徐々に装備を増やして経験値も貯めていくわけです。夢中になりすぎて趣味としてこれをやってしまうと大体半年ほどで学校の理科レベルの実験は容易くなります。
実験をするにあたって一番ネックなのが薬品の入手ですが難易度はピンキリです。食品添加物や掃除用品、工業用として市販されているものはネットでポチポチすれば手に入ります。ただ中には毒劇物取締法の規制対象となる薬品ありますからそれは必ず適切な手続きを踏んで購入しましょう。また、(違法なものや毒劇物ではなく)国内では売られていない薬品や国内で買うと高くつく薬品がある場合は海外から輸入するという手段があります。ここまで来るともはや上級おうちケミストです。実験器具や装置の入手に困る場合もあるでしょう。しかしビーカーやフラスコなど基本的な器具は東急ハンズで入手可能です。オススメは新宿店、渋谷店、池袋店。理化学コーナーの品揃えが豊富です。装置はオークションサイトで定期的に検索をかけると掘り出し物に出会えます。理化学機器の入手は中古品が一番です。動作品が定価の1/5~1/10の値段で手に入りますからかなりお得です。
このようにしてRPGのように初期状態から徐々にレベル上げをしていくのが安全のためにも確実です。あと必ず廃液処理は業者に委託するなりして適切に行いましょう。下水に流せるものと流せないものの判断は義務です。それでは次に本題の実験記事の書き方を紹介します。

step.1 ネタ探し
まずネタを探します。僕の場合は
(i)面白そうなものを自分で企画する
(ii)高校の教科書に載ってる実験
(iii)実験系YouTuberを参考
が主です。(i)はかなり冒険的ですが成功すると軽くバズれる破壊力を持っています。代表的なのはキムワイプの糖化ですね。Twitterに投稿した際には3万超えいいねを獲得しました(2021年3月現在)。(iii)はNile Red氏やPoorMans Chemist氏をよく見ています。操作方法や試薬の量まで細かく編集してくれているので重宝しています。自分はよく合成系の実験をしているのですが、大抵YouTubeで「Making ●●(欲しい化合物の名前)」と検索をかけると誰かが作っています。

step.2 ネタの選別
あらかた面白そうな実験ネタを集めたら選別作業をします。選別基準は
・自分の手持ちの試薬や設備で行えるか
・足りない試薬の入手は容易か
・安全性やリスク
・自身の技術に見合っているか
・法律に抵触しないか
などがあります。いくら面白そうなネタでも上記の条件を満たさないと残念ながら実験することは出来ません。

step.3 書き起こし
実験のネタが決まったら手順を書き起こします。いつも使っているのはiPhoneのメモ帳です。試薬の量、濃度、温度、反応時間など事細かく書きます。あとからこれに沿って実験を行います。海外の動画を参考にする場合、実演してくれているのでそこまで難しくはないものの英語を日本語に訳さないといけないのでまあまあ大変です。

step.4 実験
いよいよ実験をします。書き起こした手順通りに行います。うまくいく場合もあるしいかない場合もあります。うまくいかない場合は参考元を見直してみたり失敗の原因を考察して改善してみたりします。たまーにその実験への情熱が薄れて失敗と分かった瞬間にボツネタになる場合もあります。また、実験をする際は手順ごとに写真を撮ります。

step.5 記事執筆
記事をメモ帳に書きます。実験手順を書き起こしたページからそのまま続けます。僕の記事の場合実験する前に座学として事前知識を紹介しているのでその辺を書き上げます。構造式や反応機構など必要な資料も作っちゃいます。実験の際に撮影した写真のトリミング編集もします。

step.6 編集
WordPressのサイト投稿者用ページにログインして記事をメモからコピペします。写真もアップロードして挿入していきます。スマホでやる場合もありますしパソコンでやる場合もあります。パソコンでやった方が100億倍楽です。

step.7 最終確認
もろもろ最終確認を行います。アイキャッチ写真の設定、URLの設定、記事の投稿場所のチェック、本文の査読など。すべての作業が終わったら公開ボタンを押して一連の投稿作業は終了です。記事を公開した場合はTwitterで報告します。

以上が僕の実験記事執筆の方法です。
これからも実験記事を読んで化学に興味を持ち、応援していただければ嬉しいです。
それではさよなラジカル。

えざお

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