【番外編】ダイソーのクロムミョウバン実験キットをつくる

みなさんこんにちは、manzanaです。
突然ですが、以前にダイソーに行った際に、なんとクロムミョウバンの混晶育成キットを見つけました。こんなものまで売っているなんて、ダイソーは流石ですね!
今回はいつもの実験紹介とは異なりますが、こちらのキットを使ってみたいと思います。説明書通りではなく、かなり適当にやっていますが大目に見てください^^;

◆ キットの中身
・説明書
・クロムミョウバン (約2 g)
・ミョウバン (約30 g)
・テグス (約20 cm)

百円にしては十分な量のミョウバンとクロムミョウバンがありますね!親切に釣り糸もついているのですが、ちょっと短い (少ない) です。初めての方は特に結ぶのに苦戦すると思いますので、予備の糸も用意しておきましょう。

◆ 実験
<種結晶づくり>
説明書によればミョウバン15 g とクロムミョウバン1 gと水50 mlを容器に加えると書いてあります。
余ってしまっても困るので、私は全てのミョウバンとクロムミョウバンを使い、変わりに水100 mlを使用しています。


説明書には先の溶液を電子レンジ (500 W)で50 秒温めると書いてあります。しかし、これはおすすめできません。もしも液が突沸すると電子レンジ内にクロムミョウバンが飛び散ります。少量ですが食べ物を温める道具ですので、控えたほうが良いと思います。
そこで今回はケトルで沸かしたお湯を入れてマドラーでかき混ぜました。
ところが、どうしても溶け残りが出ています。まさかと思いながらも、仕方がなく説明書通りに電子レンジで温めてみました。
しかし、やっぱり溶けませんでした。


仕方がないのでろ過します。濾液は平らな容器に入れて、析出した種どうしがくっつくリスクを減らします。
ろ過後のろ紙を見ると結構ゴミがありました。まあ、百円なので仕方ないですね。


ちなみにクロムミョウバンの溶液は温めると紫色から緑色に変化します。クロムミョウバンのクロムイオンは水溶液中で6つの水と結合した[Cr(H2O)6]3+の状態で存在しているのですが、加熱すると一部の水がSO42-イオンと置き換わることで、このような色の変化が起きるらしいです。


水に対するミョウバンの量が多いせいで、ろ過後すぐに析出が始まりました。このままずっと放置すると、せっかくできた種結晶どうしがくっついたり、いびつな形に成長してしまったりします。ですので、数分~数十分置きに確認して、形がよくて結べそうな種結晶があったらピンセットで取り出してろ紙やキムワイプで水分を拭き取ります。欲張ってもう少し大きな種を得ようと放置すると、悲しいことに大体失敗します… 予備の種結晶も確保できるまで、確認と種の取り出しを繰り返します。


こちらが取り出した種結晶です。無事に薄紫色の綺麗な八面体の種を確保できました!水分を拭き取った種結晶は使うまでの間、チャック付きの袋に入れて保存しました。
 

残った液はそのまま数日蒸発させて結晶をなるべく取り出しました。
得られた結晶は23.5 gでした。よく見るとなんか一部緑がかっていますね。一部のCrイオンが先の硫酸イオンと結合状態で取り込まれてしまったようです。


では次に先ほどつくった種結晶を大きくしましょう。種結晶を釣り糸に結びます。嬉しいことに説明書に結び方が記載されていますので、これにならって結びましょう。
結んだ後に、短い方の糸を結び目の先で切り落とします。
 

得られたクロムミョウバンの混晶を再びお湯100 mLに溶かします。今度はちゃんと溶けました 笑。
それでも念のため、ろ過して放冷します。今度は不純物はありませんでした。
 

水の量に対するミョウバンの量が多いせいか、十数分で結晶が析出し始めたので、慌てて種を入れました。このまま丸一日静置します。
 

一晩後の写真がこちらです。


結晶を取り出して、水分を拭き取り、釣り糸を切断します。なかなかいい感じにできたのではないでしょうか。
 

◆ おわりに
今回はダイソーの実験キットでクロムミョウバンの混晶をつくってみました。
十分な量のミョウバンとクロムミョウバンがついており、付属の説明書もなかなか親切にできています。百円で買える実験キットとしては非常に完成度が高いと思います!
素晴らしいキットですので、是非みなさんもチャレンジしてみてください!!

◆ リンク
【基礎編】ミョウバンの結晶づくり【温度差法】
【応用編①】ミョウバンの結晶づくり【密度拡散法】
【応用編②】ミョウバンの結晶づくり【寝かせ式 蒸発法】
【応用編③】ミョウバンの結晶をつくる【混晶】

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