【第6回おうちラボで実験してみた】セルロース再生繊維のキュプラを合成してみた。

〈実験〉繊維化学・天然物高分子化学

みなさんお待ちかねの実験パートです。
シュバイツァー試薬にセルロースを溶かして再生繊維キュプラを作って行きましょう。

※注意
硫酸銅は皮膚粘膜刺激性を有する重金属塩です。濃アンモニア水、水酸化ナトリウム、硫酸は皮膚粘膜刺激性・腐食性を有します。いずれの試薬も薬傷、失明の危険性があり、重篤な怪我につながる恐れがあります。安易な真似は控えてください。

◆材料◆
・脱脂綿(コットン100%)
・硫酸銅(II)五水和物
・水酸化ナトリウム
・濃アンモニア水
・1mol/L希硫酸
・純水

◆器具・装置◆
・ビーカー
・吸引ろ過瓶
・ブフナー漏斗
・駒込ピペット
・注射針
・テルモシリンジ
・ピンセット
・マグネチックスターラー
・水流式アスピレーター
・ドラフトチャンバー(局所排気設備)

① 硫酸銅(Ⅱ)五水和物2.5gを水15mlに溶かして1mol/L水酸化ナトリウム水溶液20mlを加えて水酸化銅(Ⅱ)の沈殿を得る。


② 水酸化銅(II)沈殿を吸引ろ過で回収し、冷水で洗浄する。


③ 水酸化銅(II)をビーカーに移して濃アンモニア水10mlを加えて沈殿を溶かす。


④ ③で調整したシュバイツァー試薬をスターラーで攪拌しながら脱脂綿0.35gを細かく千切って加える。粘稠な液体が生成する。
 

⑤ テルモシリンジで吸い取り、注射針を取り付け、1mol/L希硫酸中に押し出す。


⑥ 生成した繊維の青色が抜けたらピンセットで取り出して水洗し、乾燥させる。セルロース再生繊維のキュプラが得られた。
 

この実験は高校の化学の授業などで行われることもあります。強固なセルロースの水素結合を人為的に断ち切り、繊維化学を発展を実感できる面白い実験です。もし学校で行うことがあれば是非原理を理解しながら楽しんでほしいです。

それでは次回の記事まで
さよなラジカル。

えざお

【参考文献】
[1]文部科学省検定済教科書 高等学校理科用 化学 改訂版 啓林館
[2]銅アンモニアレーヨンの合成

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