【第2回おうちラボで実験してみた】卵白の性質を調べよう!

〈座学〉生物有機化学・分析化学

みなさん、「タンパク質ってなに?」と問われて答えられますでしょうか。みんなが口々に言う「タンパク質」。私たちの身体を構成する重要な物質であり、五大栄養素の1つです。肉や魚、卵、豆類などに多く含まれていますね。そんなタンパク質、一体どんな物質なのか一緒に考えていきましょう。

我らがwikipedia先生(情報の信憑性は大変ショボい)によるとタンパク質とは20種類存在するアミノ酸が鎖状に多数連結した高分子化合物と書かれてます。これだけだとそこそこアバウトなので噛み砕いていきます。


● アミノ酸 ●
「アミノ酸」という言葉は聞いたことがあるはずです。健康志向の高い食品なんかにはでかでかと表示されていたりしますね。
アミノ酸はタンパク質の構成ユニットです。
物質としてはアミノ基(-NH₂)とカルボキシ基(-COOH)を持つ有機化合物と定義されます。

グリシンは最も構造が単純なアミノ酸。炭素を挟んでアミノ酸とカルボキシ基が結合しているのがわかる。


● ペプチド結合 ●
ペプチド結合とはアミノ酸同士が脱水縮合してできた結合です。アミノ酸2分子中にあるカルボキシ基(-COOH)のOHとアミノ基(-NH₂)のHが水となって脱水し、重合します。
そしてこのペプチド結合を持つ化合物をペプチドと呼び、アミノ酸が50個以上結合したものはポリペプチドと呼ばれタンパク質として理解されます。

(画像はwikipediaから引用)

つまりタンパク質はアミノ酸がペプチド結合によって多数結合しまくった高分子化合物ということです。

タンパク質についての基礎的な知識を得たところでどのようにしてタンパク質を検出するのかを見ていきましょう。
タンパク質を構成するアミノ酸には硫黄を含むものだったりベンゼン環を含む(芳香族)ものだったり様々にあります。それらの性質を利用した反応を観察することでタンパク質の性質を解析することができます。


反応①水酸化ナトリウムを加える
水酸化ナトリウムの固体を少量加えて加熱したあと湿らせたpH試験紙を近づけるとpH8~9を示す。
→水に溶けると塩基性になるアンモニアの発生。窒素を含んでいることがわかる。


反応②酢酸鉛を加える
水酸化ナトリウムを加えたあとの試料に酢酸鉛水溶液を滴下すると黒色沈殿が生成する。
→硫化鉛が生成。硫黄を含んでいることがわかる。


反応③ニンヒドリン反応
試料にニンヒドリン溶液を加えて加熱すると赤紫色に呈色する。
→アミノ基を持っていることがわかる。


反応④ビウレット反応
試料に水酸化ナトリウム水溶液と硫酸銅水溶液を加えると紫色に呈色する。
→2つ以上のペプチド結合を持つことがわかる。


反応⑤塩析
タンパク質などのコロイド溶液に可溶性塩水溶液(硫酸ナトリウムなど)を過剰に加えるとタンパク質の溶解度が下がり、析出する。


反応⑥キサントプロテイン反応
試料に硝酸を加えて加熱すると黄色く呈色反応を示す。
→ベンゼン環を含むことがわかる。

次回、上記6つの反応について実験してみましょう。今回の座学はここまで。
それでは、さよなラジカル。


えざお

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