テトロドトキシン【いきものGIFT】


キャラデザ/解説:あさの
イラスト:こたーる


化学式:C₁₁H₁₇N₃O₈
分子量:319.27
由来:海洋細菌ビブリオ、フグ など


TTXとも。名前の由来はフグ科の学名を示す“Tetraodontidae”と毒素の意である“Toxin”から と、その名が示す通り\"フグ毒\"として言わずと知れた猛毒アルカロイドである。
摂取した場合1~8時間かけて神経の興奮をおさえ鎮静させていく神経毒。症状はゆっくりとした血圧の下降、意識の混濁、最終的には呼吸器や心臓の麻痺などである。
猛毒として恐れられる一方、日本では平安時代からフグ食の文化があり、無毒化にも成功し今ではフグも美味しく食べられる食材である。ちなみにテトロドトキシンの分解過程はよくわかっていないらしいが実際に無毒化はされているようだ。

フグ以外にこの毒を持つ代表的な生物はヒョウモンダコ、スベスベマンジュウガニ、カブトガニ、アカハライモリ、トゲモミジガイ など。
フグの場合は主に卵巣や肝臓、腸に多く含まれ、種によっては全身に毒をもつものもいる。しかしフグ含めこの毒を持つ生物たち自身はテトロドトキシンをつくり出すことはできない。
テトロドトキシンは海中の毒性細菌(海洋細菌ビブリオなど)から産出される。やがて海底土やプランクトンの死骸、貝の欠片などに付着する。それをヒラムシやカニ、巻貝等が食べ、さらにフグなどの生物が食べて食物連鎖によって体内に蓄積されていく。



フグにもテトロドトキシンを過剰に与えるとさすがに死亡するが、毒に対する抵抗力が極めて強く自然に存在する程度の量なら問題ない。それどころかフグのメスがオスを引き寄せるためのフェロモンとして利用することもわかっているため、このことから毒を持つ生物にとって自らの毒が害になることは基本的にないといえる。

テトロドトキシン

※この記事は自殺示唆並びに薬物乱用を美化・助長するものではありません。

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